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2024/4 更新

物理学専攻談話会(セミナー)

談話会は,月1回,原則として金曜日 17:00 より,Z103 教室で開かれます。2, 3, 8, 9月は原則としてお休みです。学部学生以上,他専攻,他学部の方も対象のセミナーです。皆様の参加お待ちしています。

2017年度

講師:高柳匡(京大基礎物理学研究所 教授)
日時:3 月 7 日(水)17:00?18:00
場所:Z103 教室
題目:超弦理論の最前線:宇宙は量子ビットから創られているのか?
 ブラックホールの考察から発見された「ホログラフィー原理」は「重力の物 理学」と「物質の物理学」を結びつける。ホログラフィー原理を具体的に実 現するのがゲージ重力対応 (AdS/CFT 対応 ) であるが、既に20年以上研究が 続けられているにも関わらず、その基礎的なメカニズムは解明に至っておら ず、ブラックボックスの状況であった。しかし、ようやく最近になって量子 情報理論の考え方を導入することで、その謎が解き明かされつつある。また、 このアプローチの最近の進展によって「宇宙が無数の量子ビットが集まった もの」という新しい描像が得られつつある。この最新の超弦理論の話題を紹 介する。
ポスター

講師:吉村浩司(岡山大学・異分野基礎科学研究所・量子宇宙研究コア 教授)
日時:12 月 22 日(金)15:30?17:00
場所:Z103 教室
題目:トリウム229極低エネルギー準位の探索 ー 究極の「原子核時計」の実現に向けて ー
 数千種類ある原子核の中で,原子番号90の元素トリウム229のみがeV程度の特異に低い励起準位を持ち,コヒーレントなレーザー光による操作可能な唯一の原子核として注目されている。原子核は,原子内電子の遮蔽により外場の影響を受けにくいため,原子物理で用いられている多彩な実験手法を利用した応用が可能となる。原子核を用いた周波数標準(原子核時計)が実現できれば,最先端の原子時計をはるかに上回る精度を達成できる可能性があり,またその基礎物理への応用も期待されている。
その利用には,実際に励起準位を観測してそのエネルギーをレーザー励起可能な精度で決定する必要があるが,2016年にドイツの実験グループが内部転換電子を用いて実際に励起準位を観測する[1]まで,30年以上にもわたって励起準位の存在すら確認されなかった。我々のグループは高輝度放射光X線を用いた核共鳴散乱の手法を利用して,脱励起光を直接観測してそのエネルギーを決定してレーザー励起を達成すべく実験を行なっている。ここではトリウム229励起準位探索の最新の動向と,今後の展望にいて講演する。
[1] Lars von der Wense et al., "Direct detection of the 229Th nuclear clock transition”, Nature 533, 47?51 (05 May 2016)
ポスター

講師:岸根順一郎(放送大学 教授)
日時:11 月 28 日(火)17:00?18:00
場所:Z303 教室
題目:物質とchirality:磁性と光の視点から
 現在,物質科学の分野にchiral 磁性,chiral プラズモニクス, chiral フォトニクスといった分野が存在してそれぞれ独自の発展 を見せている.各分野は異なる源流を持つが,「chirality は物質機 能と直結する」という認識を共有している.本談話会では,磁性と 光のchiralityをテーマに関連分野の現状と展望を紹介する.

講師:高畠敏郎(広島大学大学院先端物質科学研究科 教授)
日時:11 月 21 日(火)17:00?18:00
場所:Z302 教室
題目:近藤格子系はまだまだ面白い:混成ギャップを持つ反強磁性秩序とフラストレーションによる量子臨界現象
 近藤格子系の具体例であるセリウム金属間化合物は,4f電子と伝導バンドとの 混成の仕方とその程度によって,価数揺動状態や重い電子の超伝導などの様々な 基底状態をとるため,多くの研究者の興味を集めてきた。 本講演では,我々が研究している二つの例を紹介する。一つは,混成ギャップを持ちながらも 反強磁性秩序するCeT2Al10 (T = Ru, Os)である。その反強磁性秩序をもたらす機構と その転移温度がなぜ高いのかについて調べた[1]。 他方は,単純な価数揺動系と考えられていたCeRhSnである。 最近,カゴメ格子特有のフラストレーション効果によって,この化合物は常圧で 量子臨界点近傍に位置することが判った[2,3]。
[1] J. Kawabata et al., Phys. Rev. B 95, 035144/1-9, 2017.
[2] Y. Tokiwa et al., Sci. Adv. 1, e1500001/1-6, 2015.
[3] C. L. Yang et al., Phys. Rev. B 96, 045139/1-7, 2017.
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講師:神田展行(大阪市立大学・理学研究科・教授)
日時:11 月 1 日(水)17:00?18:00
場所:Z103 教室
題目:重力波検出成功の決定必要事項と今後の観測
 2017年のノーベル物理学賞は、R.Weiss, B.Barish, K.Thorneの 3氏に、"for decisive contributions to the LIGO detector and the observation of gravitational waves"として与えられた。 3氏の"決定的な貢献"は、レーザー干渉計型重力波検出器の原理からの 技術実証、それを大型実験として実現したこと、検出を裏付ける理論的な フレームワーク、であろう。これらを解説し、延いては今後の重力波観測、 特に現在観測に向けて建設中のKAGRA実験にとって重要と考えられることを 考察する。 また、初観測以降、次々と重力波事象の観測例が得られており、ブラック ホール連星の起源を始め、多くの議論を呼んでいる。それらを紹介し、 今後の重力波観測の展望について述べる。
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講師:岡田勝吾(神戸大学・先端融合研究環)
日時:7 月 7 日(金)15:30?16:30
場所:Z102 教室
題目:Geant4 の医学・生物学への応用研究
Geant4は高エネルギー物理学実験用途に開発された放射線シミュレータです。 国際共同プロジェクトとして開発がスタートして既に20年が経過し,今では宇宙物理,加速器,物質科学など高エネルギー物理以外の分野でも幅広く使われています。Geant4日本グループは医学・生物学への応用研究を展開しています。 ここ数年間での大きなアクティビティとしては,GPGPUによるGeant4の高速化が挙げられます。医学物理士により,がんの粒子線治療の線量計算にGeant4を使用する治療施設が国内にあります。 しかし,モンテカルロ法が故に長い計算時間を必要とするため高速化の需要が高く,それに応えるため,SLAC,スタンフォード大学と共同でGPUベースの新しいシミュレータ「MPEXS」を開発しております。学際的な面では,DNAの放射線損傷を数値的に予測することを目的としたGeant4-DNAプロジェクトにも参加し,開発を行っています。細胞内部における荷電粒子によるエネルギー付与の微細構造,ラジカルの分布の計算がDNA 損傷の機構を知る上で重要とされていますが, CPUで行うには計算量が膨大なため,Geant4-DNAのMPEXSへの拡張も並行して行っています。 現段階での研究成果についてお話したいと思います。
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講師:前田 京剛(東大院総合文化)
日時:6 月 14 日(水)17:00?18:00
場所:Z103 教室
題目:マイクロ波複素伝導度測定による超伝導研究
超伝導現象は,電気抵抗ゼロに代表される,きわめて特異な電磁気現象である。直流電気抵抗はひとたびゼロになってしまうと何も情報を与えてくれないが,交流の電気伝導は,超伝導に関するさまざまな情報の宝庫である。本談話会では,我々のマイクロ波?THz領域の電気伝導度測定を手法の中心に据えた超伝導体研究,特に銅酸化物高温超伝導体,鉄系超伝導体に対する研究の中から2?3の話題を選んで紹介する。具体的には,超伝導ゆらぎ測定による銅酸化物超伝導体の発現機構の研究,磁束量子のフロー,マイクロ波顕微鏡による局所伝導度測定の研究他。

講師:柴田 大 (京都大学基礎物理学研究所)
日時:5 月 12 日(金曜)15:00?16:00
場所:Z103 教室
題目:重力波天文学の幕開け
2015年9月14日、アメリカの重力波望遠鏡advanced LIGOが、2つのブラックホールからなる連星系の合体による重力波の初観測に成功した。アインシュタインが一般相対性理論を導出してから、ちょうど100年目に達成された偉業であった。その後、12月26日にも、2例目の重力波が観測された。Advanced LIGOは、感度を年々向上させることを予定しており、また日本の重力波望遠鏡KAGRAも2年後には本格運用を始める計画である。今後は、ブラックホール連星からの重力波が次々と観測されるのは間違いない。さらには、中性子星を含む連星からの重力波も観測されると予想できる。本講演では、重力波とは何か、有望な重力波の発生源は何か、重力波を観測するとどのような新たな知見が得られるのか、について述べる。

講師:ヤン ジャクリン (KEK)
日時:4 月 14 日(金曜)15:30?17:00(後半30分は、講師との懇親会)
場所:Z103 教室
題目:?宇宙創成の謎にせまる? 国際リニアコライダー計画
国際リニアコライダー(ILC)は次世代の電子陽電子衝突エネルギーフロンティア加速器として、世界中の研究者の国際協力のもと研究開発・設計が行われています。国際プロジェクトILCの日本国内誘致に向けた動きも加速しています。本セミナーでは、ILCで期待されるヒッグス粒子やトップクォークの研究と新粒子発見の可能性、最先端の超伝導加速技術を用いた加速器設計、およびILC計画の概要について、ILC計画に携わる若手研究者が解説します。

過去のセミナーはこちらにあります。(2015年度、2014年度

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