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2017/1/26 更新

物理学専攻談話会(セミナー)

談話会は,月1回,原則として金曜日 17:00 より,Z103 教室で開かれます。2, 3, 8, 9月は原則としてお休みです。学部学生以上,他専攻,他学部の方も対象のセミナーです。皆様の参加お待ちしています。

2016年度

講師:倉本義夫(KEK物質構造科学研究所特別教授)
日時:2 月 7 日(火) 17:00〜18:00
場所:Z103 教室
題目: 近藤効果の遥かな旅--磁性不純物から量子色力学へ

高度かつ多様に発展した現代物理学の全貌を把握することは容易ではない。しかし、物理法則の普遍性は多様性の中にも貫徹しているため,断面の選び方によっては意外な共通性を見出すことができる。例えば繰込み,漸近自由性,閉じ込めなどの概念は,物性物理学と素粒子・原子核物理学の異なる階層性を貫く大鉱脈である。物理法則の普遍性を体現した典型例の一つが近藤効果である。近藤効果は磁性不純物の電気抵抗に端を発しているが,劇的な繰込み効果のインパクトのために,その舞台は半導体微細構造や量子色力学(QCD)にも及んでいる。本講演では,近藤効果の50年に及ぶ遥かな旅路の中から,我々自身が遍路した箇所,特に軌道近藤効果,複合体秩序,QCD近藤効果などを議論し,将来への展望を探る。


講師:杉山 直(名古屋大学大学院理学研究科)
日時:12 月 2 日(金) 15:00〜16:00
場所:Z103 教室
題目: 21cm線観測が照らす宇宙暗黒時代と最初期星形成

宇宙は誕生後38万年でいったん中性化し、その後、最初期の星やクエーサーからの紫外線放射を受けて、再び電離する。中性化から最初の星誕生までを宇宙暗黒時代、最初期星形成期を宇宙の夜明けと呼び、その詳細な解明が待たれている。近年、中性水素が放射する21cm線を用いれば、その時期を探査できる可能性が指摘され、大きな注目を集めている。それとともに、オランダを中心としたLOFAR、オーストラリアのMWA、さらにはヨーロッパを中心とした巨大プロジェクトSKAといった、いくつもの観測計画が立案され、実行に移されつつある。ここでは、宇宙の暗黒時代と夜明けの時代について、これまで何がわかっていて、21cm線を用いて、今後いったい何が明らかにできるのか、また観測の現状と、将来計画などについて概説する。


講師:BENZID Khalif(分子フォトサイエンス研究センター)
日時:11 月 25 日(金) 13:20〜14:20
場所:Y103 教室
題目: The effect of magnetic anisotropy on the dynamical phase and on the geometrical phase of the electron spin quantum bits of the isolated Mn2+, Co2+, Fe3+ transition metals and of the Fe3+ complexes in ZnO single crystal.

The talk will present the study, using pulsed EPR (p-EPR), the quantum coherence of electronic spins qubits of isolated transition metal ions of Mn2+, Co2+, Fe3+ and Fe3+/Cs+ as well as Fe3+/Na+ complexes, all found as traces in mono-crystalline ZnO. Indeed, the study has demonstrated experimentally that the magnetic anisotropy -the Zero Field Splitting coupling (ZFS)- can alter the coherence of the dynamical phase of electronic spins qubits under a microwaves manipulation. We will see a small decoherence for Mn2+ and Fe3+, spins having the both a small uniaxial magnetic anisotropy (D), and on the contrary, we will see a very strong decoherence for Co2+ spins having a very strong uniaxial magnetic anisotropy (D). in the other hand, we will see that the electronic spins of the Fe3+/Cs+ complex, having a more complex magnetic anisotropy tensor (D) compared to the simplest uniaxial one of isolated Fe3+ spins in ZnO, have almost the same coherence time. For instance, the talk will present a theoretical study of the magnetic anisotropy effect on the geometrical phase showing, by using the perturbation theory, an additional term to the usual geometrical Berry phase, due to the magnetic anisotropy which exists in all systems having a spin S>1/2.


講師:中村 勇(高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所)
日時:10 月 14 日(金) 15:30〜16:30
場所:Z103 教室
題目: Belle2 実験について

 Belle2実験はKEKで行われる予定の実験です。SuperKEKB加速器を用いてBやtauを大量に作り、その精密測定によりCKM行列の行列要素や崩壊分岐比を測り、標準模型の検証や標準模型を越える新しい物理を探索することを目的としています。 本講演ではBelle2実験について、その実験の概要と現在行われている準備作業について、なるべくわかりやすく説明したいと思います。


講師:古川裕次(アイオワ州立大学・国立 AMES 研究所)
日時:8 月 3 日(木) 15:10〜16:40
場所:Z201/202 教室
題目: アメリカでの大学教育と固体物理学研究

 アメリカの大学における学部及び大学院教育を、アイオワ州立大学の物理学科を例として、紹介するとともに、現在私がアイオワ州立大学で行っている核磁気共鳴を用いた強相関電子系の研究の一部を紹介する予定です。セミナーは主として英語を用いて行う予定です。


講師:木村憲彰(東北大学大学院理学研究科)
日時:7 月 14 日(木) 17:00〜18:00頃
場所:Z102 教室
題目: 空間反転対称性の破れたBaNiSn3型化合物の超伝導とフェルミ面

 正方晶BaNiSn3型結晶構造は反転中心のない、いわゆる空間反転対称性の破れた構造である。この結晶構造を持つ物質は重い電子系のCeTX3(T=Co, Rh, Ir, X=Si, Ge)に限らず、弱相関と呼ばれる物質でも超伝導が数多く見出されている。これら物質群は空間反転対称性の破れた超伝導および重い電子系双方の舞台として興味深い。本セミナーでは、LaRhSi3の超伝導と、CeIrSi3の電子構造の圧力変化について紹介する。LaRhSi3はバルクの臨界磁場をはるかに超える磁場でもゼロ抵抗が観測され、この現象は通常の表面超伝導では説明できない。またこの物質は、Type-II/1と呼ばれる超伝導特性を示し、異常に高い表面超伝導はType-II/1超伝導と関連していることが最近分かってきた。CeIrSi3では、圧力の印加とともに磁気抵抗が大きく変化することが分かり、反強磁性相内でフェルミ面の相転移が起きている可能性があることが明らかとなった。


講師:堀田知佐(東京大学 総合文化研究科)
日時:6 月 28 日(火) 17:00〜18:00頃
場所:Z103 教室
題目: カゴメ格子上の強相関系

 カゴメ格子は代表的なフラストレート格子であり,フラットバンドや安定なディラックポイントなどバンド構造にも特徴的な性質が見られる.ここ10年来世界中の注目を集めてきたのは Herbertsmithite (Zn Cu_3 (OH)_6 Cl_2) のミニマルモデルとおぼしき S=1/2 ハイゼンベルグモデルの基底状態がスピン液体ではないか?という疑問であろう.その背後には,元々電子系のレベルでも低エネルギー状態が他の格子と比べて極端にシングレットボンドを作りやすい傾向にあるという,カゴメ特有の事情があると思われる.実際,低エネルギー状態においてこうしたボンドやループ構造が有効的な自由度となって,フラストレート系ならではのダイナミクスで動き回ることにより多彩な相が得られることは,ここ数年来の研究からわかってきた事実である.
本セミナーでは,格子と構成粒子のフィリングが整合な場合に,相関と量子効果が相まって起こるいくつかの変わった「相」について,その発現機構とともに紹介する[1,2].とくに 1/3-filling の電子系の強結合領域における電荷とスピンの他には見られない独特の interplay の様子[2]を解説する予定である.
[参考文献]
[1] S. Nishimoto, N. Shibata, C. Hotta, Nature Comm. 4, 2287 (2013).
[2] F. Pollmann, K. Roychowdhury, C. Hotta, K. Penc, Phys. Rev. B 90, 035118 (2014).


特別談話会
日時:6 月 24 日(金) 14:00〜17:00頃
場所:Z102 教室
   ニホニウム誕生を学ぶ
14:00〜:はじめに 播磨尚朝(物理学専攻)
14:15〜:「元素誕生の謎にせまる」(理化学研究所作成のビデオ)
15:00〜:「ニッポニウム発見事情ー小川正孝とウィリアム・ラムジー」
    (講演映像)吉原賢二先生(東北大学名誉教授)
16:00〜:「元素はどこまで知られているか」
    (講演映像)森田浩介先生(九州大学教授、理化学研究所)
17 時頃終了予定
 113 番目の元素の命名権が、日本の理化学研究所超重元素研究グループの森田 浩介グループディレクター(九州大学大学院理学研究院教授)を中心とする研究 グループに与えられていましたが、最近、元素名案は「nihonium(ニホニウム)」、 元素記号案は「Nh」とされていることが発表されました。
 実は、日本人が元素名を提案するのはこれが初めてではありません。今から 100 年以上前に、Nipponium(ニッポニウム :Np)という元素が周期表に載って いました。特別物理談話会では、理化学研究所が作成したビデオで元素誕生につ いて学んだ後、2つの講演映像で「幻のニッポニウム」から今回の「ニホニウム」 誕生までを学びます。これらの映像は、2012 年 8 月に開催された科学セミナー(日 本物理学会主催)での講演を記録した貴重なものです。
 吉原先生は、元東北大学総長小川正孝が明治 41 年(1908 年)に発見を報告 したもののその後顧みられなくなっていた新元素ニッポニウムの実在を突き止め、 2008 年(平成 20 年)化学史学会学術賞を受賞されたニッポニウム研究の第一 人者です。
 新元素にニホニウムを提案された森田先生のこの時の講演は、3 回目の 113 番 目の元素が合成される2日前のものであり、元素命名権獲得への思いも述べられ ています。
 長時間に及ぶ談話会ですので、途中の入退室は自由です。気軽にご参加下さい。


講師:中野佑樹 (粒子物理学研究室 学術研究員)
日時:5 月 20 日(金曜)15:30〜16:30頃
場所:Z103 教室
題目:スーパーカミオカンデにおける太陽ニュートリノ研究

スーパーカミオカンデ(SK)は 50 kton の水チェレンコフ型検出器で[1]、陽子崩壊探索や太陽・大気ニュートリノ観測、加速器実験(T2K)などを行っています。1998 年にスーパーカミオカンデ実験によって大気ニュートリノ振動が発見されました[2]。この業績は 2015 年の梶田氏のノーベル物理学賞の受賞に代表されるように世界的に評価されています。その後、 2001 年にスーパーカミオカンデ実験の 8B 太陽ニュートリノ観測結果とカナダの SNO 実験の観測結果を比較することにより、太陽ニュートリノ振動の発見がなされました[3,4]。
SK は 2008 年 9 月以降、新エレクトロニクスを導入し、現在は SK-IV という phase で観測を継続しています[5]。本講演では、太陽ニュートリノ観測に話題を絞り、SK-IV の約 2055 日分の最新結果、及び、SK-I~SK-IV の約 4890 日の結果を報告したいと思います[6]。特に、SK を用いた太陽ニュートリノ観測における、(1)太陽中心での MSW 効果[7,8]によるエネルギースペクトラムの歪みの観測、(2)地球の物質効果による太陽ニュートリノフラックスの昼夜変動の観測[9]、(3)太陽活動と太陽ニュートリノフラックスの相関[10]に関して紹介します。最後に SK の今後についてもいくつかお話ししたいと思います。
[参考文献]
[1] S. Fukuda et al., Nucl. Instrum. Meth. A501, 418 (2003).
[2] Y. Fukuda et al., Phys. Rev. Lett. 81, 1562 (1998).
[3] S. Fukuda et al., Phys. Rev. Lett. 86, 5651 (2001).
[4] Q. Ahmad et al., Phys. Rev. Lett. 89, 011301 (2002).
[5] S. Yamada et al., IEEE Trans. Nucl. Sci. 57, 428 (2010).
[6] 中野 佑樹 博士論文 東京大学大学院 (2016).
[7] L. Wolfenstein, Phys. Rev. D17, 2369 (1978)., L.Wolfenstein, Phys. Rev. D20, 2634 (1979).
[8] S. Mikheyev and A. Smirnov, Sov. J. Nucl. Phys. 42, 913 (1985).
[9] A. Renshaw et al., Phys. Rev. Lett. 112, 091805 (2014).
[10] Y. Nakano, Pos(ICRC2015) 10088.

過去のセミナーはこちらにあります。(2015年度、2014年度

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