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2020/12/11 更新

物理学専攻談話会(セミナー)

談話会は、月1回、原則として金曜日 17:00 より、Z103 教室で開かれます。2、 3、 8、 9月は原則としてお休みです。学部学生以上、他専攻、他学部の方も対象のセミナーです。皆様の参加お待ちしています。

2021年度

講師:井岡 邦仁 氏(京都大学・基礎物理学研究所・教授)
日時:2021年6月3日(木)17:00-18:00
場所:オンライン開催
題目: The Decade of Electromagnetic Counterparts to the Gravitational Wave Event GW170817
アインシュタインが一般相対性理論を提唱して100年目の2015年9月14日にブラックホールの合体からの重力波 GW150914 が直接検出された。2017年8月17日には2つの中性子星の合体からの重力波 GW170817 も発見され、同時にガンマ線バーストや巨新星(キロノバ)など、あらゆる波長の電磁波も観測された。まさに本格的なマルチメッセンジャー(全粒子天文学)時代の到来を告げる歴史的イベントとなった。本講演では、特に、GW170817 で発見された電磁波対応天体を解説し、まだ観測され続けている対応天体がこの10年でどうなるのか?を展望する。 

2020年度

講師:髙橋 一史 氏(神戸大学理学研究科・助手)
日時:2021年1月14日(木)17:00-18:00
場所:理学部Z103教室
題目: 重力理論の拡張に関する最近の話題:オストログラドスキーの定理 
 宇宙の加速膨張を引き起こすダークエネルギーは一般相対論に基づく現代宇宙論の最大の謎であり、これを説明する試みとして一般相対論を拡張した重力理論の枠組みが盛んに研究されている。代表的なものは一般相対論にスカラー場を1つ加えた理論(スカラーテンソル理論)である。スカラー場という新たな自由度をラグランジアンに導入するにあたり、どのような相互作用が許されるかは非自明な問題だが、この問に対する一つの答を与えるのがオストログラドスキーの定理である。定理によれば運動方程式が高階微分を含むような理論には不安定な自由度(ゴースト)が存在するため、整合的な理論を構築するためにはこのゴーストを回避する必要がある。本講演では、解析力学の模型を用いてオストログラドスキーの定理のエッセンスを解説した上で、ゴーストのないスカラーテンソル理論に関する最近の進展を紹介する。


講師:大槻 純也 氏(岡山大学異分野基礎科学研究所)
日時:2020年12月17日(木)17:00~
場所:理学部Z103教室
題目:強相関電子系に対する理論計算法の最近の発展:動的平均場法とスパースモデリング
 遷移金属元素や希土類元素を含む強相関化合物では、強いクーロン斥力に起因して、磁性や超伝導などの有用な物性が発現する。強相関化合物では「量子多体効果」が顕著なため、第一原理に基づく電子構造計算の応用はこれまで限定的であった。近年、低エネルギー有効模型を扱う量子多体論を電子構造計算に応用する研究が進んでおり、第一原理計算の応用範囲が広がってきている。本講演では、その中でも特に成功を収めているDFT+DMFT法を概観する。最近の進展として、スピン・軌道感受率を用いた相転移の検出法[1]を紹介し、その応用として、Feにおける強磁性やCu化合物における軌道秩序について議論する。また、我々が公開しているDFT+DMFT計算ソフトウェアDCoreを紹介する[2]。後半では、筆者らが最近取り組んでいるスパースモデリング[3]と呼ばれるデータ科学法の応用と今後の展開についても議論したい。

参考文献
[1] "Strong-coupling formula for momentum-dependent susceptibilities in dynamical mean-field theory", J. Otsuki, K. Yoshimi, H. Shinaoka, Y. Nomura, Phys. Rev. B 99, 165134 (2019).
[2] "DCore: Integrated DMFT software for correlated electrons", H. Shinaoka, J. Otsuki, M. Kawamura, N. Takemori, K. Yoshimi, arXiv:2007.00901.
[3] "Sparse Modeling in Quantum Many-Body Problems", J. Otsuki, M. Ohzeki, H. Shinaoka, K. Yoshimi, J. Phys. Soc. Jpn. 89, 012001 (2020).


講師:松本 正茂 氏(静岡大学理学部・教授)
日時:2020年12月14日(月)17:00-18:00
場所:オンライン開催
題目: 三角格子反強磁性体CsFeCl3における磁気励起
 フラストレーションのある磁性体では、様々な秩序状態が出現する。三角格子反強磁性体CsFeCl3はそのような物質の1つであり、日本を中心に古くから研究され、磁場や圧力による量子相転移によって、ノンコリニアな120°構造の磁気秩序が安定化することが知られている。最近、圧力下の量子相転移に伴う磁気励起の変化が中性子散乱で観測され、磁気モーメントの縦揺らぎと横揺らぎが結合した、珍しい励起状態が報告されている。これを理論的に解析し、ノンコリニアな構造に付随した磁気励起の性質について、詳しく紹介する。


講師:上田 宏氏(理化学研究所計算科学研究センター(R-CCS))
日時:2020年11月25日(水)17:00~
場所:オンライン開催
題目:テンソルネットワーク法×HPCによる古典統計模型解析の最前線
一様離散格子上の古典統計模型の解析を数値的に高精度で行う手法の一つとしてテンソルネットワーク(TN)法がある。極めて最近、TN法の一種である高次特異値分解を利用したテンソル繰り込み群(HOTRG)法やテンソルネットワーク繰り込み(TNR)法を用いて、q状態クロック模型(5≦q≦9)に現れるBerezinskii-Kosterlitz-Thouless転移点とその転移点に挟まれた臨界相を特徴づける共形変数(コンパクト化半径など)も高精度に評価できることが示され[1,2]、TN法への注目がさらに集まっている。講演者らも、TN法の一種である角転送行列繰り込み群(CTMRG)法に大規模並列化を施し、多内部自由度を持つ古典統計模型に現れる非自明な相転移とその臨界性の同定を行ってきた[3-5]。本座談会ではTN法の計算原理を紹介しつつ、上述のようなTN法の最近の応用例について紹介していきたい。

[1] Z.-Q. Li et al., Phys. Rev. E 101, 060105(R) (2020).
[2] G. Li, K. H. Pai, and Z.-C. Gu, arXiv:2009.10695
[3] H. Ueda et al., Phys. Rev. E 96, 062112 (2017).
[4] H. Ueda et al., Phys. Rev. E 101, 062111 (2020).
[5] H. Ueda et al., Phys. Rev. E 102, 032130 (2020).

講師:南條 創氏(大阪大学 理学研究科)
日時:2020年11月18日(水)17:00~
場所:理学部Z103教室
題目: K中間子の稀な崩壊を用いる新物理探索の現状と展望 
K中間子の稀な崩壊、KL->π0νν崩壊は素粒子標準理論では強く抑制され、崩壊分岐比の予測が正確であるので、分岐比のズレを通して新物理に敏感である。J-PARCではKOTO実験が2013年からこの崩壊の探索を開始し、背景事象の理解と削減を進め、探索感度を一桁以上向上し、世界最高感度を達成している。 K中間子の稀崩壊を用いる新物理探索についてKOTO実験と世界の情勢をまとめ、将来の展望についても紹介する

講師:佐藤 昌利氏(京大基礎物理研究所・教授)
日時:2020年11月13日(金)17:00-18:00
場所:理学部Z103教室
題目:トポロジカル相の新しい潮流:非エルミート・トポロジカル相
 トポロジカル絶縁体の発見以来、従来の自発的対称性破れの概念では捉えることのできない相構造が物質世界に広く遍在していることが認識され、多くの研究がなされてきた。トポロジカル相の概念を超伝導体に拡張した「トポロジカル超伝導体」、対称性とトポロジー両方を考慮することで生じる「対称性に守られたトポロジカル相(SPT)」など多くの新概念が導入されると同時に、マヨラナ励起などの新しい励起状態も発見され、トポロジカル相に関する包括的な分類がなされるとともに、研究分野も物性物理に留まらず、素粒子論や数学などにも幅広い分野に影響を与えるに至っている。 この講演では、このトポロジカル相の新しい潮流として、現在物性物理で活発に研究されている非エルミート・トポロジカル相の話題を取り上げる。通常ハミルトニアンはエルミートであると仮定されるが、この仮定は必ずしも自明ではなく、相互作用、不純物、あるいは環境の影響などでハミルトニアンはしばしば非エルミートとなる。このような非エルミート性は単に不安定性を生じさせるだけでなく、新しいトポロジカルな相構造や現象を可能とする。最近の我々の研究を中心に非エルミート・トポロジカル相について基礎的な内容を中心に解説を行う。

講師:日高 義将氏(高エネルギー加速器研究機構・教授)
日時:2020年11月6日(金)17:00-18:00
場所:理学部Z103教室
題目:自発的対称性の破れに関する最近の話題: 開放系から高次対称性まで
 連続対称性が自発的に破れると南部ゴールドストンモードと呼ばれるギャップを持たない励起が現れる.固体中の音波や強磁性体中のスピン波がそれに当たる.南部ゴールドストンの定理は,場の量子論において定式化され,物性系の様な非相対論系や,さらには,エネルギーや運動量が保存しない開放系にも拡張されている.また,最近では,渦糸やドメインウォールのような広がりを持った物体に対する対称性とその自発的破れを考えることで光も南部ゴールドストンモードとして理解できる事が明らかになった.本講演では,これらの自発的対称性の破れと南部ゴールドストンモードに関する近年の発展を我々の最近の研究[1,2,3]を交えながら紹介する.

[1] "Counting Nambu-Goldstone modes of higher-form global symmetries," Yoshimasa Hidaka, Yuji Hirono, Ryo Yokokura, 2007.15901 [hep-th],
[2] "Rainbow Nambu-Goldstone modes under a nonequilibrium steady flow," Yuki Minami, Hiroyoshi Nakano, Yoshimasa Hidaka, 2009.10357 [cond-mat.stat-mech].
[3] "Spontaneous symmetry breaking and Nambu–Goldstone modes in open classical and quantum systems," Yoshimasa Hidaka, Yuki Minam, PTEP 2020 (2020) 3, 033A01, 1907.08241 [hep-th].


2019年度

講師:前田 恵一氏(早稲田大学・理工学術院・教授)
日時:2020年1月10日(金)15:00-16:00
場所:理学部Z103教室
題目:階層的三体系からの重力波
内軌道と外軌道の2つの軌道から構成される階層的三体系では、2つの軌道間の軌道傾斜角と内軌道の離心率の間に起こるKozai-Lodov振動が特徴的である。離心率変化は重力波放出に大きな影響を与えるため、階層的三体系からの重力波は興味深い振る舞いを示す。ポスト・ニュートン近似のEIH方程式を数値的に解き、Kozai-Lodov振動が起こる場合の重力波放出の影響について解析し、連星パルサーのまわりに3番目の天体が存在する場合、近星点移動曲線に屈折が現れることを明らかにした。また階層的三体系から放出される重力波の性質を調べ、放出重力波はDECIGO(またはBBO)では観測可能であることを示した。
ポスター


講師:成木 恵氏(京都大学・准教授)
日時:12月18日(水)17:00-
場所:理学部 Z103教室
題目:J-PARCにおけるハドロン物理
 2009年より稼働したJ-PARCにおいて、中間子や陽子などのハドロンビームを用いたハドロン物理実験が行われている。これまでに行われた実験を概観するとともに、特に、来年2月に完成する新しいビームラインで展開される実験研究について紹介する。 J-PARCでは大強度陽子ビームによって得られる二次粒子を実験に用いているが、これに加え、新たに一次陽子が利用可能となる。pA反応では生成した中間子が原子核密度下におかれるため、QCD凝縮が融けてハドロンの質量が変化することが期待される。一次陽子ビームを原子核標的に照射し、高レート耐性を持つ高分解能スペクトロメータによって中間子のレプトン対崩壊をとらえる実験がまもなくスタートしようとしている。この実験(J-PARC E16実験)の現状と見通しを紹介する。 また、ストレンジネスあるいはチャームを含むバリオン分光研究や、中間エネルギー領域における重イオンビームを用いたハドロン実験のプロジェクトも立ち上がっている。これらの将来計画についても紹介したい。
ポスター


講師:新田 宗土 氏(慶應義塾大学・教授)
日時:11月13日(水)16:00-
場所:理学部 Z103教室
題目:多成分系の渦やソリトン:
   多成分超伝導・超流動、高密度QCD、2ヒッグス・ダブレット模型を通して
 渦は自然界の様々なところに存在している。台風も渦の一種であるが、 超流動体、超伝導体、冷却原子気体では渦が「量子化」された量子渦と なっている。回転する超流動体や磁場下の超伝導体では、渦が本質的な 役割を果たす力学的自由度となる。そのような量子渦は場の量子論にお いてトポロジカル・ソリトンの一種として自然に理解でき、また宇宙に おける宇宙ひもの候補となる。  さて、従来型のs波超伝導や超流動、1種類のボース原子気体では、渦 の構造が単純であるのに比べて、多成分の超伝導や超流動などでは、渦 が多様な構造を持つことが知られている。そのような例として、中性子 星内部にある核物質において、特に密度の高いコアで実現されると思わ れるトリプレットP波超流動における多種多様な渦や、さらに高密度で生 じるQCDのカラー超伝導状態における非アーベリアン・カラー磁束がある。 また素粒子物理学においては、標準模型を超える2ヒッグス・ダブレット 模型でも同様の渦が存在する。これら幅広い系での渦やソリトンの構造 について紹介する。
ポスター


講師:田中 秀数 氏(東京工業大学理学院物理学系・教授)
日時:10月29日(火)17:00-
場所:理学部 Z103教室
題目:スピン1/2三角格子及び籠目格子反強磁性体の磁気励起
スピン1/2三角格子及び籠目格子Heisenberg反強磁性体はフラストレートした量子磁性体の典型的なモデルで,強いフラストレーションと量子効果によって顕著な量子多体効果を示す。S=1/2三角格子Heisenberg反強磁性体(Heisenberg TLAF)では,量子多体効果によって,磁場中で3つの部分格子がつくるup-up-down構造が有限の磁場範囲で安定化され,磁化曲線に飽和磁場の1/3にプラトーが現れることがよく知られている。S=1/2 Heisenberg TLAFの良いモデル物質としてBa3CoSb2O9がある。この物質では1/3磁化プラトーが実験で確認されている[1]。S=1/2 TLHAFの磁気励起については,理論的研究が活発に行われている。しかし,単一マグノン励起について一定のコンセンサスはあるが,連続励起については殆んど分かっていない。我々はBa3CoSb2O9の磁気励起をJ-PARC, MLFに設置された分光器AMATERASを用いて広い運動量・エネルギー空間で調べた[2]。得られた励起スペクトルの特徴は,(1) 3段のエネルギー構造を持つ。(2) 1段目は単一マグノン励起からなり,分散関係は高エネルギーで大きく低エネルギー側に再規格化される。また,M点にロトン的極小が現れる。(3) 2段目と3段目は分散のある強い連続励起からなり,連続励起は交換相互作用の6倍以上の高エネルギーまで続く。これらの実験結果は秩序状態からでもスピノンなどの分数スピン励起が起こり得ることを強く示唆している。 次に,S=1/2籠目格子Heisenberg反強磁性体(Heisenberg KLAF)であるが,基底状態に関しては理論研究が精力的に行われていて,量子力学的な無秩序状態になることが知られている。しかし,その具体的な状態については今なお議論が続いている。一方,磁気励起については,基底状態が分からないこともあり,理論的コンセンサスはない。実験ではモデル物質の探索が精力的に行われ,ZnCu3(OH)6Cl2などの物質が知られている[3]。Cs2Cu3SnF12は我々が開拓したS=1/2 KLAFである[4]。Cs2Cu3SnF12の基底状態は大きなDzyaloshinskii- Moriya相互作用によって正のchiralityをもつq=0構造の秩序状態になる[5]。我々はCs2Cu3SnF12の磁気励起をJ-PARC, MLFに設置された分光器4SEASONSを用いて広い運動量・エネルギー空間で調べた[6]。以下に主な結果をまとめる。(1) 散乱強度は籠目格子の幾何学を反映して,2次元逆格子空間でBZの2倍の周期構造を持つ。(2) 文献[6]で報告されたように,単一マグノン励起のエネルギーが波数ベクトルに依存せず,殆ど一様に低エネルギー側に再規格化される。(3) 強い連続励起が存在し,交換相互作用の2.5倍以上の高エネルギーまで続く。この実験結果から,S=1/2 KLAFでも分数スピン励起の存在が示唆される。
[1] Y. Shirata et al., Phys. Rev. Lett. 108, 057205, T. Susuki et al., ibid. 110, 267201 (2013).
[2] S. Ito et al., Nat. Commun. 8, 235 (2017).
[3] M. P. Shores et al., J. Am. Chem. Soc. 127, 13462 (2005).
[4] T. Ono et al., Phys. Rev. B 79, 174407 (2009).
[5] T. Ono et al., J. Phys. Soc. Jpn. 83, 043701 (2014).
[6] R. Takagishi et al., unpublished data.
ポスター


講師:森前 智行 氏(京大基礎物理学研究所・講師)
日時:7月4日(木)17:00-
場所:理学部 Z103教室
題目:量子スプレマシーと量子計算の検証
 量子ビットを好きなだけ用意でき、任意の量子アルゴリズムを 走らせることができる完全な量子計算機を作るのは研究者たちの 一つの究極のゴールであるが、それはまだまだ遠い未来のことで ある。そこで、現在、「弱い」量子マシンをとにかくまずはつく り、それが古典計算機を超越していることを示そうとする研究 「量子スプレマシー」が盛んに行われている。量子計算が意味が あるのはそもそも古典計算機でシミレートできないからであるが、 それがあだとなってしまい、量子計算機の動作チェックに量子計 算機が必要となるという皮肉なジレンマに陥ってしまう。量子計 算機無しで量子計算の正しさをチェックできるか、という問題は、 「量子計算の検証」とよばれ、量子スプレマシーや量子クラウド の検証という実用的な重要性から、近年活発な研究が行われてい る。本講演では、その二つのテーマについて最新の研究成果を報 告する。
ポスター


講師:服部 一匡 氏(首都大学東京・准教授)
日時:6月26日(水)17:00-
場所:理学部 Z103教室
題目:電気四重極子の秩序とその特異な磁場効果
固体中の電子による自発的対称性の破れは、強磁性・反強磁性磁気秩序や電荷秩序に馴染みが深い人が多いと思われるが、近年、異方的な電荷・磁荷分布をもつ「多極子」の自由度による秩序に注目が集まっている。それらは一風変わったーーつまり通常の磁性体などと違ったーー磁場効果や外場応答を我々に見せてくれる。本講演では近年精力的に研究がなされているPr化合物と関係したダイヤモンド構造上の電気四極子の秩序を例に、反強四極子秩序の統計力学的模型の古典モンテカルロシミュレーションの結果、ダイヤモンド構造上の反強四極子秩序における反転対称性の破れに起因する電気(電流)磁気効果の解析、および強四極子秩序における特異な磁場誘起相転移について、対称性によりどのように説明されるかを強調しつつ紹介したい。
ポスター


講師:青木 大 氏(東北大学金属材料研究所・教授)
日時:5月22日(水)17:00-
場所:理学部 Y203教室→Z103教室(変更になりました。)
題目:ウラン化合物における超伝導と磁場誘起現象
強磁性と超伝導はお互いに相入れない物理現象だと考えられて来た。強磁性の強い内部磁場が超伝導クーパー対を容易に破壊するからである。ところが、いくつかのウラン化合物において強磁性と超伝導が微視的に共存する系が見つかって注目を集めている。これらの系であるUGe2、URhGe、UCoGeでは、スピン三重項による非従来型の超伝導が実現していることがわかっている。このため、磁場によるパウリ対破壊効果がなく、極めて高い超伝導上部臨界磁場Hc2を持つ。さらに、磁場を磁化困難軸方向に加えた時に、強磁性揺らぎが増強され、磁場誘起超伝導や磁場強化型超伝導などの劇的な超伝導相の変化が起きることがわかって来た。また、つい最近発見された超伝導体UTe2は、キャリア数の小さな強磁性秩序寸前の常磁性体であり、Hc2が発散的な増大を示すことがわかった。本講演では、これら強磁性体あるいは強磁性秩序寸前のウラン化合物超伝導の魅力を伝えたい。
ポスター


講師:上野 宗孝 氏(JAXA・技術主幹 / 理学研究科・客員教授)
日時:4月26日(金)17:00-
場所:理学部 Z103教室
題目:実験室実験の延長線上にある宇宙からの観測
宇宙開発の速度は第2の激動期に突入している.宇宙機開発や打上げロケットの多様化も進み,民間企業がしのぎを削る舞台へと変貌しつつある。宇宙科学の発展は,文字通り我々の活動領域の拡大と宇宙における技術進歩の恩恵を大きく受けてきている。 近年のトレンドである超小型衛星の活用は,宇宙への敷居を劇的に下げつつあり,宇宙での実験が宇宙機関だけのものでは無く,科学研究費規模の世界を作りつつある。 。
ポスター

過去のセミナーはこちらにあります。(2018年度2017年度2016年度2015年度、2014年度

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