物理学は、物質を構成している最も基本的な粒子(素粒子)、原子、分子、原子や分子の集団である液体や固体、そして宇宙の構造にいたるまで自然における各階層を対象として、自然の構造と機能の根本原理を解明する自然科学の一分野です。物理学の特徴は、理論と実験の密接な協力にあります。実験によって発見された事実は、理論によってその意味が調べられ、また、理論からの予測・予言が実験によって確認・検討されるというプロセスが繰り返されて、物理学は発展、深化しています。物理学は基礎科学であり、一見、役に立たないように思われがちですが、たとえばGPSを用いるカー・ナビゲーションシステムでは相対性理論抜きには正確な位置を割り出すことができませんし、照明に使われているLEDの発光や色は量子力学や固体物理学抜きには理解することができません。このように、半導体、超伝導、ナノテクノロジー、情報など工学分野への接点が多くなっています。
理学部の物理学科における教育では、学生数が少ないという特徴を生かして「丁寧な少人数教育」を行っています。大学3年生までは数学を用いて物理学の問題を考えることを重要視し、古典物理学から現代物理学へと進んでいきます。同時に、基本的な実験を自分で行うカリキュラムが用意されています。大学の4年になると、卒業研究を通して、分かっていない問題がたくさんあることを学び、その問題の1つに取り組むことになります。
大学院理学研究科の物理学専攻では、より高度で新しい成果を講義、セミナーを通して学び、未解決の問題を解明するための研究をします。そのために、学内研究センター、国内、国外の大型実験施設の研究者と協力しながら研究を進めています。
物理学科・物理学専攻は、将来物理学の研究をしようと考えている学生の皆さんだけでなく、物理学の方法、考え方を身に付けて、社会で工学などの近接分野で働くことを目指している学生の皆さんを歓迎します。