理論物理学講座

理論物理学グループ

理論物理は、文字どおり理論によって物理を研究する学問で、神戸大学物理学科の理論物理学グループは、素粒子の性質を解明する素粒子理論、宇宙の起源を探求する宇宙論、多数の自由度からなる物質の性質を解明する物性理論の3つの分野にわたって研究をしています。

素粒子宇宙理論教育研究分野

<教授>早田 次郎、 <准教授>神野 隆介、 <助教>伊藤 飛鳥

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宇宙論は、物質と時空の起源とその進化を研究する学問です。様々な波長の電磁波や重力波の精密観測によって、宇宙誕生後約40万年の頃のビッグバンから現在までの宇宙の姿が高分解能で観測できるようになってきています。インフレーション理論を通してミクロな世界を探求すこと、暗黒エネルギーや暗黒物質の謎を解明することが、我々の主な研究テーマです。

宇宙と素粒子のようなミクロの世界が絡み合った領域の研究から、新たな物理学理論を発見することを目標とした研究が行われています。


物性理論教育研究分野

<准教授>久保木 一浩、 <准教授>西野 友年

物性理論HPへ

物性物理は原子や分子が集まった固体や液体など、凝縮系の性質を研究対象にしています。このような多体系に潜む特有の物理法則を理論的に解明して行くことが物性理論の目標です。
高温超伝導体はその高い臨界温度から将来的な応用が期待されるだけでなく、磁性との共存などさまざまな興味深い物性を示します。他方、物質の表面など低次元格子系では幾つもの異なる状態が実現し、その間の移り変わり(相転移)には物質の特徴を越えた普遍性を見いだせます。私達はこれらの現象を、場の理論を用いた解析的方法、密度行列繰り込み群法など最先端の数値的手法を用いて研究しています。


量子物性論教育研究分野

<教授>伏屋 雄紀、 <助教>山田 暉馨(特命助教)、 <助教>山口 皓史(特命助教)

量子物性論HPへ(現在作成中)

物性物理学は、原子や電子レベルのミクロな視点から、マクロな物質の性質を明らかにする学問です。その中でも、私たちは紙と鉛筆(とコンピュータ)を用いた理論的アプローチで物質の謎を解明し、未知の現象を発見する研究に取り組んでいます。
研究テーマは、電気伝導やスピン伝導から、強磁場・高圧物性、超伝導など多岐にわたります。最近では、物理学と生物学をつなぐ新しい非平衡非線形現象の開拓にも挑戦しています。
物質の世界には、無限に近い多様性があります。多様な物質が持つ多彩な魅力を引き出すことを目指して、特に研究テーマを限定することなく、「ふしぎだと思ったことはなんでも研究対象」をモットーに、「なぞときの物語」を楽しんでいます。