山口皓史特命助教らの研究グループが、電場と温度勾配の共存によって生じる新しいホール効果の発見についてNature Physicsに発表しました。

2025/11/05

理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター動的創発物性研究チームの野本哲也特別研究員、賀川史敬チームディレクター、 強相関物質研究グループの吉川明子上級技師、量子コンピュータ研究センター半導体量子情報デバイス理論研究チームの仲澤一輝研究員、 神戸大学大学院理学研究科物理学専攻の山口皓史特命助教(理研創発物性科学研究センタースピン物性理論研究チーム客員研究員)の共同研究グループは、 キラル物質において電場と温度勾配の共存によって生じる新しいホール効果(電流の向きが曲がる現象)を発見しました。

本研究成果は、熱の流れの制御や廃熱を使った発電などに役立つ新たな熱電効果の開拓に貢献すると期待されます。

今回、共同研究グループは、キラルな結晶構造を持つ半導体テルルを対象に、結晶に温度勾配と電場を同時にかけると、 それぞれの大きさに比例したホール電圧が発生する“非線形キラル熱電ホール効果”と呼ばれる現象が起こることを実験的に示しました。 また、結晶キラリティ(結晶掌性)に応じて符号が変化するなど、通常の磁場によるホール効果にはないユニークな特徴があることも明らかにしました。

本研究は、科学雑誌『Nature Physics』オンライン版(11月3日付:日本時間11月3日)に掲載されました。

詳しくはこちらのページをご覧下さい。