【受賞】物理学専攻の山田暉馨特命助教が、強磁場科学研究会「パルスマグネット100周年」において、若手優秀発表賞(ポスター賞)を受賞しました
2024/12/20
2024年12月16~18日に東京大学物性研究所で開催された強磁場科学研究会「パルスマグネット100周年」において、物理学専攻の山田暉馨特命助教が若手優秀発表賞を受賞しました。
物理学専攻の山田暉馨特命助教と伏屋雄紀教授らの研究グループは、これまでに高磁場の世界で電子の運動が受ける量子物理学的な効果について研究を進めてきました。
今回は「表」と「裏」が異なるような結晶構造を持つ物質に磁場をかけた場合の応答を調べました。このような特殊な結晶内では電子が磁場で曲げられることによる電流に加え、電子の持つ小さな磁石(スピン)が反転して運ばれる特殊な電流が存在します。
研究グループは、この2種類の電流の相対的な大きさが磁場によって大きく変動し、高磁場ではスピンの効果が見えにくくなることを見出しました。
今から遡ること百余年となる1921年、F. PaschenとE. Backは原子に束縛された電子の軌道とスピンの混ざり合いが高磁場で解けることを指摘していますが(Paschen-Back効果)、今回これと類似の効果が、結晶内を自由に動き回る電子が磁場中で運ばれる際にも観測され得ることを明らかにしました。