矢野 孝臣 やの たかとみ

私の研究対称は幽霊粒子とも呼ばれるニュートリノです。 ニュートリノは質量が小さく、しかも世代間で僅かに質量に差があるために電子やミューオンでは見られないニュートリノ振動という特殊な振舞をします。 2011年から2012年にかけて、ニュートリノ振動を説明する物理パラメータである振動角の最後の一つ、θ13の測定結果が次々に発表されました。 このθ13の測定結果を受けて、次のニュートリノの物理であるニュートリノでのCP対称性破れの発見や質量階層性の解明に関心が持たれています。 私は岐阜県飛騨市神岡町にあるSuper-Kamiokandeや、その後継計画であるHyper-Kamiokande、また茨城県東海村から人工ニュートリノビームをSuper-Kamiokandeに照射するT2K実験に参加し、これらの解明に取り組んでいます。

代表的な論文

• S. Aoki,T. Yano et.al., "The T2K Side Muon Range Detector (SMRD)", Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A, Vol. 698, pp 135-146 (2013).
• K. Abe, T. Yano et.al., "First Muon Neutrino Disappearance Study with an Off-Axis Beam", Physical Review D, Vol. 85, 031103(R), (2012).
• K. Abe, T. Yano et.al., "Indication of electron neutrino appearance from an accelerator-produced off-axis muon neutrino beam", Physical Review Letters, Vol. 107, pp 20-27 (2011).

講義

• 学部教育：物理学実験III