清水 志真 しみず　しま

ジュネーブ郊外のCERN研究所にある、世界最高エネルギーを誇る大型ハドロン加速器LHCでの陽子衝突データを用いた、ATLAS国際共同実験に参加しています。ATLAS実験では、素粒子とその相互作用の研究から宇宙の物理法則に迫ろうとしており、2013年には素粒子物理学における「標準模型」の中で唯一存在が確認されていなかったHiggs粒子を発見しました。 私は、ATLAS実験において、主にジェット生成を用いた量子色力学の研究を行ってきました。量子色力学は、陽子の構成要素でもあるクォークやグルーオンという素粒子のダイナミックスを記述します。LHCで達成される高エネルギー領域においても量子色力学が成り立つのかという問いに答えるとともに、量子色力学のより詳細な理解を目指すことにより、クォークやグルーオンの散乱とも言える陽子衝突での新粒子探索やHiggs粒子の性質測定の精度向上に貢献します。

代表的な論文

• ZEUS Collaboration, “Measurement of the longitudinal proton structure function at HERA”, Physics Letters B, 682, 8-22, (2009)
• ATLAS Collaboration, “Measurement of inclusive jet and dijet production in pp collisions at sqrt(s)=7 TeV using the ATLAS detector”, Phys. Rev. D86, 014022 (2012)
• ATLAS Collaboration, “Measurement of the inclusive jet cross section in pp collisions at sqrt(s)=2.76 TeV and comparison to the inclusive jet cross section at sqrt(s)=7 TeV using the ATLAS detector”, Eur. Phys. J. C73 (2013) 2509