理学博士、名古屋大学、2014年 先端融合研究環 兼務 理学研究科 特命助教 研究グループ: 素粒子実験グループ 研究室: 自然科学総合研究棟3号館323室 電話: 078-803-6667 電子メール: |
私は、スイス・ジュネーブ郊外にあるCERN研究所で行われているATLAS実験に参加しています。 このATLAS実験は、世界最大・最高エネルギーを誇る大型ハドロン加速器LHCを用いて素粒子の性質や相互作用を研究するために計画された大規模国際共同実験です。私は、主にトップクォーク対の生成に着目して、pQCDの研究に従事しております。 トップクオークは素粒子の標準模型の枠組みでは最も重い粒子であり、pQCDやパートン分布関数などの詳細な研究に有益であるとともに、 未知の新粒子が直接トップクォークに崩壊するモデルなどが示唆されており新しい物理探索を模索する上でも重要な粒子の一つです。 また、LHCでの新物理探索をするうえで避けて通る事が出来ない背景事象でもあり、この生成過程やキネマティックスを正確に理解することは非常に大きな意味を持ちます。これまではトップクォーク対のキネマティックスに着目した生成断面積測定から、既存のモンテカルロシミュレーションやpQCD計算の正しさを実験的に検証してきました。 今後は新しいエネルギーでの陽子衝突実験に従事しながら、さらに詳細にトップクォーク生成を研究していきます。